こども社長ゲーム 設計書
1. プロジェクト概要
1.1 仮タイトル
こども社長ゲーム
1.2 コンセプト
子どもが小さな会社の社長になり、実際の社会や地域のデータを参考にしながら、商品・サービスを考え、会社を経営するシミュレーションゲーム。
ゲームを通じて、以下の力を楽しみながら身につける。
- 金融リテラシー
- 会計リテラシー
- 起業・経営の基本
- データリテラシー
- 地域・社会への関心
- 意思決定力
- 振り返る力
- キャリア形成への関心
1.3 想定ユーザー
- 主対象:小学4〜6年生
- 副対象:中学生
- 保護者・先生:学習を見守る立場
1.4 開発方針
最初は「1人で遊べるブラウザゲーム」として開発する。
- PC・タブレット対応
- スマートフォンでも閲覧可能
- 基本無料
- 会員登録なしで試遊可能
- セーブ機能はブラウザ内保存から開始
- 将来的にクラウド保存やユーザーアカウントを検討
2. 学習目標
ゲーム終了後、プレイヤーが次のことを説明できることを目指す。
2.1 お金の基本
- 売上と利益は違う
- 利益と手元のお金は違う
- 固定費と変動費がある
- 借入は「もらったお金」ではなく返済が必要
- 貯める・使う・投資するにはそれぞれ目的がある
2.2 会計の基本
- 売上
- 原価
- 粗利益
- 経費
- 営業利益
- キャッシュ
- 資産
- 負債
- 純資産
をゲーム内で体験する。
2.3 経営の基本
- 誰に売るか
- 何を売るか
- いくらで売るか
- どのくらい作るか
- 広告にいくら使うか
- 設備に投資するか
を自分で決める。
3. ゲームの基本ループ
- 地域を選ぶ
- 会社を作る
- 初期資金を受け取る
- 商品・サービスを選ぶ
- 市場調査をする
- 価格を決める
- 仕入れ・生産量を決める
- 広告・宣伝を決める
- 1か月を営業する
- 売上が発生する
- 経費を支払う
- 決算を見る
- 結果を振り返る
- 次の月の経営方針を決める
- 12か月経過後に年間決算
- 会社の成績と「社長としての成長」を確認
4. ゲーム開始
4.1 社長プロフィール
入力項目:
- 社長名
- 会社名
- 会社ロゴ
- 好きなこと
- 得意なこと
- 会社を作った理由
会社を作った理由の例
- 地域の人を喜ばせたい
- おいしいものを作りたい
- 困っている人を助けたい
- 環境をよくしたい
- 自分の好きなことを仕事にしたい
この回答は後の「社長ポートフォリオ」に保存する。
5. 地域選択
5.1 初期版
まずは福岡市をモデル地域とする。
将来的に全国の自治体へ拡張する。
5.2 オープンデータ活用候補
- BODIK
- RESAS
- e-Stat
- DATA.GO.JP
- 国土地理院
- OpenStreetMap
- 気象庁
- 環境省オープンデータ
5.3 ゲームで利用するデータ
初期版では以下を候補とする。
- 人口
- 年齢構成
- 世帯数
- 観光客数
- 地域の産業
- 商業・小売関連データ
- 地図
- 天気
- 季節
- 地域イベント
5.4 データの扱い
ゲーム内では、実際の統計値をそのまま難しい表で見せず、子ども向けに簡略化する。
例:
「この地域には子どもが多い」
「観光客が多い地域」
「雨の日が多い月」
「高齢者が多い地域」
など、意思決定に使える情報へ変換する。
6. 会社・業種選択
初期版では5業種程度。
6.1 キッチンカー
必要なもの:
- 食材
- キッチンカー設備
- 出店場所
- 広告
特徴:
- 初期費用が高め
- 天気の影響を受ける
- 観光地との相性が良い
6.2 ハンドメイドショップ
必要なもの:
- 材料
- 商品制作
- 店舗またはオンライン販売
- 広告
特徴:
- 原価を管理しやすい
- ブランド力が重要
6.3 子ども向けイベント会社
必要なもの:
- 会場
- スタッフ
- 広告
- イベント企画
特徴:
- 地域の人口やイベントとの相性が重要
6.4 野菜・農産物販売
必要なもの:
- 種・仕入れ
- 農地
- 運搬
- 販売場所
特徴:
- 天候の影響が大きい
- 季節によって需要が変化
6.5 デジタルサービス会社
必要なもの:
- パソコン
- ソフトウェア
- 広告
- スキル
特徴:
- 初期費用が比較的低い
- スキル投資が重要
7. 初期資金
ゲーム開始時の資金は100万円。
内訳例:
- 自己資金:50万円
- 銀行からの借入:50万円
借入には返済が必要。
学習ポイント
「100万円持っている」ことと、
「100万円自由に使える」ことは違う。
借入金は負債として表示する。
8. 商品・サービス設計
プレイヤーが以下を決定する。
- 商品名
- 商品カテゴリ
- ターゲット
- 価格
- 仕入れ量
- 販売目標
ターゲット例
- 子ども
- 学生
- 家族
- 高齢者
- 観光客
- 地域住民
9. 市場調査
ゲーム内に「データ探偵モード」を搭載。
プレイヤーは地域データを調べて、出店場所や商品を決定する。
例
「子ども向け商品を販売するならどこ?」
プレイヤーは、
- 子どもの人口
- 学校の位置
- 公園
- 駅
- 商業施設
などを調査。
その結果をもとに出店場所を決める。
10. 価格設定
プレイヤーが販売価格を決定。
例:
原価300円の商品。
販売価格:
- 300円
- 400円
- 500円
- 600円
価格によって、
- 販売数
- 顧客満足度
- 利益率
が変化する。
基本計算
売上 = 販売単価 × 販売数量
原価 = 商品1個あたりの原価 × 販売数量
粗利益 = 売上 − 原価
利益 = 売上 − 原価 − 経費
11. 固定費・変動費
固定費
売上が変わっても基本的に発生する費用。
例:
- 家賃
- サブスクリプション
- 基本料金
変動費
販売量によって変わる費用。
例:
- 材料費
- 商品仕入れ
- 梱包費
ゲームでは、固定費と変動費を色分けして表示する。
12. 広告・マーケティング
広告予算を決定。
選択肢:
- 0円
- 5,000円
- 10,000円
- 30,000円
- 50,000円
広告費が増えると認知度が上がるが、使いすぎると利益が減る。
広告イベント
「SNSで話題になった」
「地域イベントで紹介された」
「口コミが広がった」
などのランダムイベントを発生させる。
13. 月次営業
1か月を1ターンとする。
プレイヤーは毎月、
- 市場情報を見る
- 仕入れ量を決める
- 価格を決める
- 広告費を決める
- 出店場所を決める
- 営業開始
を行う。
14. ランダムイベント
ゲーム性を高めるため、毎月イベントを発生させる。
良いイベント
- SNSで話題になる
- 観光客が増える
- 地域イベントが開催される
- 新しい顧客が増える
悪いイベント
- 雨が続く
- 原材料価格が上がる
- 設備が故障する
- ライバル店が出店する
学習目的
「経営には予想外のことが起きる」
「利益が出ているときも、現金を残しておくことが大切」
ということを体験する。
15. 会計ダッシュボード
ゲームの中心画面。
表示項目
売上
今月いくら売れたか。
原価
商品を作る・仕入れるためにいくらかかったか。
粗利益
売上から原価を引いた金額。
経費
家賃・広告費など。
利益
最終的にどれだけ儲かったか。
現金
会社の手元にあるお金。
借入残高
まだ返していない借金。
16. 「利益」と「現金」の違いを学ぶイベント
重要な学習コンテンツ。
例:
今月の利益:20万円
しかし、
- 新しい設備を30万円で購入
- 借入返済10万円
すると、手元の現金は減る。
ゲーム内で、
「利益が出ているのに、お金が減った!」
という体験を作る。
17. 借入・返済
銀行から借入可能。
借入条件:
- 借入額
- 金利
- 返済期間
を簡略化して表示。
初期版では複雑な金利計算を避ける。
例:
50万円借入
毎月5万円返済
10か月で完済
学習ポイント
- 借入には返済が必要
- 借入は悪いことではない
- 使い道が重要
- 返せる計画が必要
18. 設備投資
利益を使って設備を購入できる。
例:
- 冷蔵庫
- 調理設備
- パソコン
- 広告設備
- 店舗
- 配送設備
設備投資によって、
- 生産量アップ
- 品質アップ
- 作業効率アップ
などの効果が発生する。
19. 人材・スキル投資
会社の成長に応じて人材を雇える。
例:
- アルバイト
- デザイナー
- 営業担当
- エンジニア
また、社長自身もスキルアップできる。
スキル:
- お金
- 会計
- マーケティング
- データ分析
- IT
- コミュニケーション
20. 会社の成長
会社レベルを設定。
Lv.1
ひとり社長
Lv.2
小さなお店
Lv.3
地域のお店
Lv.4
人気企業
Lv.5
地域を代表する会社
レベルアップ条件:
- 利益
- 顧客満足度
- 社会貢献
- データ活用
- スキル
21. 社会貢献要素
利益だけを評価しない。
評価項目:
- 利益
- 顧客満足
- 従業員満足
- 地域貢献
- 環境への配慮
例:
「売上は低いが、地域の高齢者を助けるサービス」
なども評価される。
22. 会社の決算
12か月終了後に年間決算。
表示内容:
- 年間売上
- 年間原価
- 年間経費
- 年間利益
- 現金残高
- 借入残高
- 顧客満足度
- 地域貢献度
23. 社長評価
単純な「1位・最下位」ではなく、複数のタイプに分類する。
例:
利益重視タイプ
利益を最大化した社長。
地域貢献タイプ
地域への貢献度が高い社長。
チャレンジタイプ
新しいことに挑戦した社長。
データ分析タイプ
データを活用して経営した社長。
バランス経営タイプ
利益・顧客・地域をバランスよく考えた社長。
24. 社長ポートフォリオ
ゲーム終了後に自分の学びを記録する。
記録項目
- 私の会社名
- 私が選んだ仕事
- 私の商品
- 私のターゲット
- 一番成功したこと
- 一番失敗したこと
- 失敗から学んだこと
- お金について学んだこと
- 会計について学んだこと
- 地域について学んだこと
- 次に挑戦したいこと
最終アウトプット
「わたしの社長ポートフォリオ」としてPDFまたは画像で保存できるようにする。
25. 子ども向けUI
基本方針
難しい言葉をそのまま表示しない。
例:
「売上」
→「商品を売って入ってきたお金」
「利益」
→「会社に残ったもうけ」
「固定費」
→「売れなくてもかかるお金」
「負債」
→「あとで返す必要があるお金」
難しい用語には「?」ボタンを設置。
26. ゲーム画面
画面1
タイトル
画面2
社長プロフィール
画面3
会社設立
画面4
地域選択
画面5
市場調査
画面6
商品・サービス設計
画面7
価格設定
画面8
仕入れ・生産
画面9
広告
画面10
営業開始
画面11
月次決算
画面12
経営会議
画面13
年間決算
画面14
社長評価
画面15
社長ポートフォリオ
27. MVP(最初に作るバージョン)
最初から全部作らない。
MVPの機能
- 福岡市を舞台にする
- 会社名入力
- 社長名入力
- 3業種
- 初期資金100万円
- 商品価格設定
- 仕入れ量設定
- 広告費設定
- 月次営業
- 売上計算
- 原価計算
- 経費計算
- 利益計算
- 現金残高
- 借入残高
- 12か月経営
- 年間決算
- 社長評価
MVPでは後回し
- リアルタイムAPI連携
- ユーザー登録
- オンラインランキング
- 複雑な税金
- 複雑な会計処理
- 複数人対戦
- AI社長秘書
28. オープンデータ連携の段階
Phase 1
固定データでゲームを完成させる。
Phase 2
BODIK・RESASなどから地域データを取得。
Phase 3
地域選択機能を追加。
福岡市
↓
福岡県
↓
全国
Phase 4
気象庁データと連携。
天気によって売上が変化。
Phase 5
AIによる経営アドバイス。
例:
「今月は広告費が高すぎるかもしれません」
「売上は増えていますが、現金が減っています」
「来月は仕入れを少し減らしてみるのもよさそうです」
29. 技術構成案
フロントエンド
- HTML
- CSS
- JavaScript
MVPはブラウザで動くシングルページアプリとして作成。
データ保存
初期:
- localStorage
将来:
- Firebase
- Supabase
API
将来的に以下を検討。
- BODIK API
- RESAS API
- e-Stat API
- 国土地理院API
- OpenStreetMap
- 気象庁データ
30. AI活用
将来的に「AI社長秘書」を搭載。
AIは答えを直接教えるのではなく、考えるためのヒントを出す。
悪い例:
「広告費を3万円にしてください」
良い例:
「先月は広告費を増やしたら売上が増えました。でも利益はどうなったでしょう?」
「売上と利益のどちらを見て判断しますか?」
「もし雨が続いたら、どんな商品が売れそうですか?」
31. 教育上の重要方針
ゲームの目的は「一番儲けた人を勝者にする」ことではない。
重要なのは、
- なぜその選択をしたか
- 結果はどうだったか
- 何を学んだか
- 次はどうするか
を考えること。
ゲーム終了後に必ず振り返りを行う。
32. 将来構想
最終的には、
「こども社長ゲーム」
↓
「こども会社経営シミュレーター」
↓
「地域×キャリア×金融教育プラットフォーム」
へ発展させる。
将来的には、
- 学校の授業
- 探究学習
- キャリア教育
- 金融教育
- 起業教育
- 地域学習
で利用できるサービスを目指す。
33. 開発優先順位
第1段階
ゲームの基本ループを作る。
第2段階
会計ダッシュボードを作る。
第3段階
12か月経営を完成させる。
第4段階
決算・振り返りを追加。
第5段階
地域データを追加。
第6段階
オープンデータAPIと連携。
第7段階
キャリア・ポートフォリオ機能を追加。
第8段階
AI社長秘書を追加。
34. 成功指標
ゲームの成功は「プレイ時間」だけで判断しない。
評価指標:
- 子どもが「売上と利益の違い」を説明できる
- 子どもが「利益と現金の違い」を説明できる
- 固定費と変動費を区別できる
- 借入の意味を理解できる
- 自分の意思決定を振り返ることができる
- 地域データを見て経営判断ができる
- 自分の将来の仕事について考えるきっかけになる
35. 最初のプロトタイプ
最初の完成目標は、
> 「30分以内で1年間の会社経営を体験できる」
こと。
プレイヤーは、
「自分で考える」
↓
「決める」
↓
「結果を見る」
↓
「失敗する」
↓
「振り返る」
↓
「もう一度挑戦する」
というサイクルを楽しむ。
このゲーム体験を最優先して開発する。
対象地域
対象地域が指定されていません。
使用技術
技術が指定されていません。
オープンデータソース
データソースが指定されていません。